男の子と女の子

 私の職場には小さいお子さん連れの方も多いので、お子さんが飽きないようにおもちゃが置いてあります。5分以上かかりそうなお客様で、お子さんが3〜4歳の方の場合に、私はたいてい一つが7、8センチくらいの木でできた動物の形の色も付いた積み木をお勧めしています。(ちなみに年齢がそれ以上の方の場合は紙と筆記用具を出して「こちらにご記入ください」というし、それ以下の方でしたらぬいぐるみやブロックを用意させていただきます。)

 最近はこの積み木の使い方の男女差がすごく面白くて、仕事をしながらお子様の行動に目が行ってしまうことがしばしばあります。

 もちろん、どのような使い方をしていらしても、おとなしくなさっていればこちらは一向に構いませんし、親御さんは手続きのほうに忙しいので、干渉する大人は一人もいない環境で、お子さんはそれぞれに楽しんでいらっしゃいます。

 女の子はふつうウサギとかゾウとか言いながらお母さんに見せたり、ご自分でごっこ遊びをしています。お気に入りの動物をずっと眺めたり動かしたりしながら、アクティブな方でも両手で動かしながら鳴きまねをしたりするくらいです。
 男の子も、小さい方はそんな感じです。でも4歳くらいを境に、男の子は圧倒的にこの動物の形をした積み木を高く積み上げ始めるのです!
 初めてこの光景を目にしたとき、正直私は驚きました。動物の形をしているのですから、積み上げにくいと思います。それを器用に大きさ順に足のほう下にしてどんどん積み上げます。そうして一番上に二本足のサルを積んで満足げに眺めるのです。

 しかし、ここに書こうと思ったのは、昨日家族で来られたお客様で、お母さんが書類の処理をなさっている間に、お父さんがまさにそのようにしてお子さんを遊ばせるように先導しているのを発見した時です。

 私が今まで目にしていた「男の子だからこうなんだ」は、ひょっとしたら男の子がお父さんと遊ぶうちに身についたのか、お父さんも男の子だからそうなのか。
 とにかく、動物の形をした積み木を「これは動物」という意識で見るのか、「これは積み木」という意識で見るのかという点において、男女差はあるのです。
 そしてこの発見は案外重要だぞ、って私は思ってしまうのです。