aikoと椎名林檎のなかの女の子

aikoの新曲『ずっと』

ずっと(通常盤)

ずっと(通常盤)


椎名林檎の新曲『カーネーション
カーネーション

カーネーション

で、二人のなかの女の子について考えていました。

 ふたつともドラマの主題歌ですが、『カーネーション』は言わずと知れた朝の連ドラの、『ずっと』は「蜜の味」という民放のドラマのもので、まったく違ったジャンルで違った女性像を目前においての制作です。しかし、『ずっと』の中の女の子が一途に求めるものは「あなた」で『カーネーション』で「欲しいものはひとつだけ」と言われているのはもちろん「あなた」と同じものでしょう。そして、一途に「あなた」を求めることは、女性にとって美徳でありながら業であり、人間として正しいことでありながら間違ったことでもある。このギャップに悩み涙しながらも、自らの生において強く求め続けるわたし。

 「生きている」ことは決して正しくない、美しくない。しかし人を惹き付けて止まない「蜜の味」はその中にある。そして、女性はその「蜜の味」をこの上なく愛しているのです。

 愛が人を育み、人を成長させ、人を貶め、人を絶望に追いやる。

 aiko椎名林檎もそこまでを楽曲に込めて歌うことのできるすばらしい女性歌手です。女性が歌を作る意味を理解している。

 ああすばらしいなぁと思いながらPerfumeの『JPN』

JPN(初回限定盤)(DVD付)

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を聞いて完全なる作り物の女性像を楽しんでいる私ってと思いながら、ほんものと虚構を楽しむ芸能というものの奥の深さを実感するのでした。